普請(ふしん)

今年も夏の普請(朽木では村の共同作業全般のことを普請という)の時期。

お盆前にお宮さんとお寺さんの中の掃除と外回りの整備。

朝9:00、お寺さんに集まったのはたったの7名。

といっても、能家の人口が7名なので、致し方ないわけです。

2年前から比べると半減。

作業に来ても足腰が動かずビールケースに座布団敷いて座っていたおじいちゃんたちが、今年はもういない。

でも、さみしい気持ちを顔に出さない、前向きなおばあちゃんたち。

 

さ、始めよか!と腕まくり。

箒、水拭き、草取り、草刈り、落ち葉かき…等々、それぞれがあうんの呼吸。

「昔は普請って遊びみたいもんやったのになぁ。大勢いるから仕事てあらへん。」

おばあちゃんたちはおしゃべりしながら、ちゃかちゃか手際よく仕事をこなす。

7人じゃ今日中に終わらないかもな…と思ったけど、午前中いっぱいでお寺も神社もこぎれいになった。

昔の人は仕事が丁寧。落ち葉ひとつ残さない。

 

「こら疲れるわなぁ」

少ない人数でようやった、と労いの言葉をかけあいながらふと思う。実際作業に従事した手の数は、去年も今年も同じ。でも、ビールケースのおじいちゃんがいないだけで、作業の負担が大きくなったような感じがする。

 

村の拠点を村の者で手入れをする。

普請は私の好きな時間のひとつ。